2013年10月30日

マルクス経済学は、世界史の大道からセクト経済学へ???

日本において、マルクス経済学は確固とした地位を占めてきたことは、私がここで書く必要もないことでしょう。しかし、時の流れとは恐ろしいもので、マルクス経済学などを大学の学問から排除しようという動きが強まっているようです。
経済学分野の教育「参照基準」を策定する作業が進んでいるようですが、どうやら大きな問題をはらんでいるようです。

以下
一部抜粋。
「ミクロ経済学」と「マクロ経済学」が基本であり、それに「統計学」 を加えたものを基礎科目とし、他のいくつかの科目をその応用分野とする「経済学の体系」が示され、このような「経済学の体系」に合わない科目は排除ないし周辺化されています。具体的に言えば、現代の経済にその資本主義的な特質からアプローチする「政治経済学」(マルクス経済学だけとは限りません)は全面的に排除され、歴史的要因・制度的要因・思想的要因にかかわる科目はすべて周辺に追いやられています。
経済学は社会科学であり、合理的な選択というのも、歴史的、制度的、政治 的、そして思想をも含む文化的要因によって形成された状況のもとでの選択ではないでしょうか。経済領域の歴史、制度、政策、思想、そして社会とともに発展した経済学自体の歴史についての教育が周辺的分野にすぎないというのは、経済学についての特定の見方に基づく区分にすぎません。20世紀以降の経済学Economics)において、ミクロ経済学とマクロ経済学が発展したことはその通りですが、その母体となった18世紀後半以来の政治経済学oliticalEconomy)
は近代の経済の歴史的・制度的特質の認識の上に立つものであり、その現代的な継承と展開は多くの経済学者によって研究され教育されています。また、理論を基礎として応用に進むだけが研究と教育の道ではなく、現実の社会的・経済的問 題に取り組むなかから理論を発展させていく道もあるはずです。このように考えると、現在「分科会」が準備している「素案」は、特定の「経済学」観に基づいたコアカリキュラムを想定する偏ったものにすぎません。それは日本の科学者のコミュニティを代表するはずの学術会議が作成する「参照基準」としてふさわしくありません。

経済学分野の教育「参照基準」の是正を求める全国教員署名
https://pro.form-mailer.jp/fms/8fe8371a49520
良識ある大学教員のみなさん。署名にご協力ください。

昨日も霜田さんとお話していましたが、私たちの世代でなく、次の世代にとっては大問題です。
マルクス経済学が大学教育から排除されたら、どうなるのか!!!
ううう。おそろしい事態ではありませんか。
posted by 井上 at 13:36| Comment(2) | 最近の出来事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 マルクス経済学者の大学教員の授業をすべて知らないのは当然なのですが、マルクス経済学者の大学教員は学生、労働者の情勢にほとんど対応できていないと感じます。要するに、大上段から「商品とはー、貨幣とはー、賃金とはー搾取とはー」と資本論の体系を要約しだす。

 こういう授業は学生も労働者もまったくおもしろくないとなりますね。回りくどい授業は駄目なんです。マルクス経済学の本質をズバリと集中的かつ実務的応用的に授業しなければなりません。

 要するに、近代経済学とマルクス経済学の決定的本質の違いは、近代経済学が資本主義を永遠とするのに対して、マルクス経済学は社会主義共産主義への移行を主張する点にあります。

 したがって、マルクス経済学者は現在の資本主義経済を社会主義共産主義経済へ移行させる方法、道筋を示さねばなりません。

 こうなると生産手段の社会化とは何か?企業の社会化、産業の社会化、税財政の社会化、というようになります。

 この企業、産業、税財政の三段階において生産者、国民一人一人が社会化する力量をつけること。ここにマルクス経済学を教育し、授業し、学習する歴史的社会的今日的な意義意味がある。

 こういうど真ん中をマルクス経済学者が逃げてきたから、学生、労働者もマルクス経済学って「資本論」古典やから、経済学説史のひとつの知識で、ま、必要ないわな、となっているわけです。

 だからこそ、マルクス経済学は資本主義経済から搾取をなくし、経済を生産者、国民一人一人の手に取り戻す方法、道筋を原理的かつ具体的に示し、教育し授業しなければならないでしょう。
Posted by あ at 2013年10月31日 15:31
貴重なコメントありがとうございます
。なるほどなあと。

私は研究者ではないので、詳しくはわかりませんが、よびかけ人の伊藤誠さんは、宇野学派の方で、社会主義への移行の必然性は否定されているのではないかと思います。

お互いの立場の違いを越えて、経済学の発展を守ることで一致して、マルクス経済学を守り発展させていきたいですね。
Posted by 井上 at 2013年10月31日 18:08
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